2015年06月17日

6/17 循環型観光について・・・・(スタッフ日記)


     循環型観光について

     昨日の本ブログに「奈良公園内がクリーンな循環型環境を完成させている」と
     書いた。

     循環といえば、平成の初めに循環型社会形成推進基本法という法律が成立され
     たことを覚えている人もいると思う。

     製品やエネルギーの再利用、再生利用を推し進めることで、「環境への負荷の
     少ない健全な経済の発展を図りながら、持続的に発展することができる社会を
     実現」しましょうといった内容だった。

     「循環型」と付くと、なんだか資源やエネルギーといったイメージが定着して
     いるが、なにも循環という言葉はエコや環境に限ったことではない。観光コン
     テンツにあっても悪くないはずだ。

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     循環型観光。

     観光における循環型とはどういうことだろうか。いきなり、観光の循環型とい
     われてもピンとこないかも知れないが「人と世代の循環」ということでイメー
     ジしてほしい。

     「世代」 即ち、「親」「子」「孫」と、それぞれに受け継がれる流れ(循環)のことだ。

     額面通り受け取ると、親から子、そして孫へと流れる一方通行になるように思
     われるが、そうでもない。

     子はやがて親になり、親は子を産み育て、子は孫を産む。かつて子だった親は
     祖父母となり、子や孫と共に暮らす。そして、孫は大人になり伴侶を得て子を
     作る・・・・人は遥か古(いにしえ)の時より、子孫へ命の受け渡しを行なっ
     てきた。それが循環の意味になる。

     それでは《観光の循環型》とは一体どういったものが考えられるのだろうか。

     代表的なモデルがある。
     ディズニーランドがそれだ。なぜディズニーランドが循環型なのか。親が子を
     連れて遊びに行くからなのか。

     親が子供を連れて訪れるなら、北海道旭川の旭山動物園でもよいだろう。ある
     いは鹿児島の霧島高原まほろばの里や、秋田ふるさと村であってもかまわない。
     岐阜のオアシスパークや鳥取の大山トム・ソーヤ牧場も然り。

     もちろん、それらの施設は十分に循環型として成長することは望まれているの
     だから、今後の発展が楽しみといえるが、ディズニーランドには循環型の代表
     と呼ぶにふさわしい、素敵なストーリーがある。

     そのストーリーがあって、ディズニーランドが循環型観光の代表的なモデルと
     なるのだ。どのようなストーリーなのか。それは、ほんの数行で書ける簡単な
     ストーリーだ。

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     《循環型の代表的モデル、ディズニーランド》と大仰な言い方をしたが、実際
     にどのような循環とストーリーが秘められているのだろうか。

     ディズニーランドといえばアメリカ発祥の「夢の国」だが、本家のアメリカに暮
     らす人々にとって《ディズニーランド》とは、いったいどのような存在なのだろう。
     その問いに対して、アメリカの人々の答えがある。

     ディズニーランドとは

     子供の頃に親と一緒に訪れる遊園地であり、
     成長して、恋人と共に訪れる遊園地である。そして、
     結婚して生まれた我が子と一緒に訪れる遊園地。

     ・・その子供はやがて成長して、恋人と共に遊園地を訪れる。
     ・・子供はやがて大人となり、結婚をして子供をもうける。
     ・・生まれた我が子と一緒に訪れるディズニーランド。。

     ・・・子供はやがて成長する。そして、恋人と共に遊園地を訪れる。
     ・・・結婚して生まれた我が子と一緒に訪れる遊園地。

     この繰り返しが綿々とつづく。

     子は親となり、子を産む。やがてその子も親となり・・・・・。
     人生のストーリーとディズニーランドが、重なり合い、世代が見事に循環する。

     さて、現実の世界に戻っていただきたい。

     「そうか、まちおこしに循環型観光という手もあるなぁ」となんとなく思われ
     た方もいるだろう。しかし、いざ自分の立ち位置に戻り、自分の地域の条件と
     循環型観光をあてはめようと試みても、自分の地域の何をもって循環させれば
     よいのかが見えず、多くの担当者は諦めてしまうそうだ。。

     それでも、自分の住む地域に循環型観光を持ち込むことができれば、10年20年
     先のまちの姿を思い浮かべることができる。観光だけでなく、まちの将来を案
     ずる者にとっては胸をなでおろすことができる。それが循環型観光の魅力である。

     一筋縄ではいかないのが循環型観光。

     循環型観光は、今までの地域観光という観念とは発想や着地点が大きく異なっ
     ている。その違いを知って、地域のステークホルダーと共通理念を確認し合っ
     て青図を書き進めるのが循環型観光の歩みとなる。

     どのようなことでも、特に新しいことを始めるときには、想像もしたこともな
     い壁が幾つも現れる。その度に苦労を積み重ねて乗り越えなければならない。
     同じ苦労をするのなら、地域の未来を築くことができる(築く可能性が高い)
     循環型観光を地域の振興策に取り入れるのも悪くないだろう。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜スタッフ: I



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タグ:観光
posted by JN01 at 03:30| 日記